フレークスについて

お湯からキラキラ光るものが…

イメージ画像マホービンに熱湯を入れておき、飲もうとしてコップに注いだときに、銀粉か、ガラスの粉末のようにキラキラ光っているものを見つけることがあります。
ときには金色に輝いて見える場合もあります。
このようなガラス状の細片は「フレークス」と呼ばれ、一般にはガラスの表面が湯に侵されて、その表面が小さな破片になったものと考えられがちです。
しかし実際は水の中に含まれているマグネシウム分がケイ酸と化合してできる含水ケイ酸マグネシウムにカルシウム、アルミ、鉄分などが吸着され、ガラス表面に生成した薄膜が小さく崩れてできたものです。

フレークス発生の主因は水質にあります。

イメージ画像フレークスが発生する条件として、上述のようにマグネシウムとケイ酸が必要で、さらにこの成分が化合するためには水質がアルカリ性であることが必須条件といえます。
一般に生水は炭酸ガスなどが溶け込んでいるので、pH7からpH5の間、即ち酸性気味ですが、沸かしますとpHが高くなり(アルカリ性になり)、pH9を越える場合があります。
また、マグネシウムには通常水道水等に含まれていますが、マホービンに使用するガラスには含まれていません。
このようにフレークス発生の主因は水質にあり、沸かしたときのpHがどの程度のアルカリ性か、またマグネシウムをどの程度含んでいるかによって、マホービンのガラス成分であるケイ酸(石・砂・水晶等の成分)あるいは水中に含まれているケイ酸と化合し、フレークスが発生することになります。

またフレークスの生成は、温度とも関係があり、温度が高いほど発生しやすくなります。
いいかえれば、保温力の高いマホービンはフレークスが発生しやすくなるということです。
フレークスは、マホービンの中でゆっくり化合し、析出することにより結晶となってきらきらした薄片になりますが、条件が満足されないと結晶化せず、水中のカルシウム等が析出して作る微細な沈殿物(いわゆる水アカ)としてマホービンの中が白く汚れたりします。

フレークスが発生したときの処置

イメージ画像一度フレークスができますと、その残りのものがびんの壁についてなかなかとれない場合が多く、これが使用のたびに少しずつフレークスとなって現れます。
このような場合には、中せんをしないで中びんに食酢を約10%加えたお湯を入れ、30分〜1時間そのままにした後、柄のついたやわらかいスポンジブラシなどで中びんの内壁をよく洗ってください。
特に“水アカ”の場合、ポットの湯口や注ぎ口もよく洗ってください。

このようにしても、以後の使用でなおフレークスが発生するようでしたら、これは使用されている水が常にフレークスがでやすい水質ですので、この様な水質の場合には、ポットに入れる飲料水1リットルに対して食酢を数滴(酢の味がつかない程度)加えて水のアルカリ性を中和しておけば、フレークスは発生しません。

フレークスは有害か?

フレークスは見た目には気持ちのよいものではありませんが、もともと飲料水中に溶けていたケイ酸、マグネシウム、カルシウム分などのミネラル分からできたものですから、人体に害はありません。
水アカの変態とも言えますので知らずに飲んでも心配はありません。
フレークスの着色はたいていの場合、鉄分によるものですが黒色のフレークスや“水アカ”には水にマンガンなどの有害物が含まれていることもあります。
この場合、水のそのものが飲料水には適さない場合がありますので水質検査される必要があります。

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